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LastUpdate:2011/05/20


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 Prologue〜乗り越えなければならない壁 (2010.6.24)
 掛け替えのない存在 (2010.7.1)
 思いは形に (2010.7.1)
 東日本大震災後 (2011.5.20)
 
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Side Story episode

 

Prologue〜乗り越えなければならない壁

 くまぷうと宮本涼子(以下、涼子ちゃん)は種類は違いますが、二人とも障害者です。
 くまぷうは多発性硬化症と言う法定疾病(難病)による肢体不自由、涼子ちゃんは全く耳が聞こえません。

出会った頃のくまぷう&涼子  くまぷうが涼子ちゃんとであった頃、くまぷうはまだ車イスに乗っていましたし、手話も全然できませんでした。知り合う前にちょっとかじった事はあったのですが、あまりにも難しいと感じたため、その時は手話を覚える事を簡単に諦めてしまったのです。
 最初の頃はそれでもよかったのですが、涼子ちゃんの写真の腕が上がるに従って、また関係が深まるにつれて、それでは困る事が増えてきました。
 例えば、野外での撮影時、筆談ではどうしても無理があります。加えて、涼子ちゃんは2歳で失聴してしまったので、ちゃんと日本語を習っておらず、ちょっと難しい文章になると、どうしても理解できない事が多いのです。当然の事ですが、文章を書く事も聴者が想像している以上に苦手です。なので、くまぷうとの簡単なメールのやり取りですら、今でもビクビクしながらやっているような状態です。
 外部(例えば出先やお客様)とのやり取りは当然、くまぷうが代わってやってあげる必要があります。くまぷうも手話が苦手だとは言っていられなくなりました。

くまぷう&涼子  多くの場合、出来ないことはしない、難しいと思うことはしない、やったとしてもできる範囲でやる、のではないかと思います。しかし、涼子ちゃんの気持ちを考えれば、出来ないからやらないと、冷たい事は言えません。
 かと言って、車イスから立ち上がるためには過酷なリハビリに耐えなければならず、またやったからと言って、必ずしも歩けるようになるとは限りません。努力が報われるとは限らないので、中途半端な覚悟では出来ない事なのです。そして、覚悟していたつもりでも、始めてみて、自分がいかに甘かったかを何度も思い知らされるのです。(実際、救急車で運ばれるような事態に陥った事も何度かありました。)
 大勢の方に「歩けるようになってよかったわねぇ」と至極気軽に言われる事も多いのですが、まだ記憶が生々しく、苦笑いを返すのがやっとの状態です。失礼なのは重々承知しているのですが・・・ご理解ください。

 また、やったことがある人なら判ると思いますが、手話を覚えようと思っても、そう簡単に覚えられるものではありません。そもそも、音声言語と手話は考え方が全く違うのですから、「言語とはこういうものだ」という狭い音声言語の先入観があるうちは到底覚えられないものです。気軽な気持ちでチャレンジして挫折してしまった方も多いのではないでしょうか?くまぷうも未だ、完全に先入観を拭い切れていないようで、自分の手話に自信がありません。はっきり言って、手話に対して強い苦手意識があります。
 涼子ちゃんの場合、家族ですら手話を覚えてくれなかったのですから、赤の他人であるくまぷうに覚えて欲しいとは言える訳もありません。

くまぷう&涼子  途中経過はあえて想像にお任せしますが、数年の努力の結果、どちらも何とか客観的には達成するに至りました。

 もちろん、今でも体は不自由ですし、手話も日常会話は何とか出来るようになりましたが、おぼつかない場面がない訳ではありませんので、まだまだ満足するには程遠く、より一層の努力をする必要があります。

 自分の中ではもう、これ以上頑張れないという所まで頑張っているつもりですが、諦めきれない何かがある限り、無茶であろうが無理であろうが、あがき続けることでしょう。

(Last Update 2010/6/24)
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掛け替えのない存在

 現在はくまぷうも涼子ちゃんが学ぶ聴覚障害者向けの手話教室へ通っていますが、涼子ちゃんはくまぷうと出会う数年前から、その教室へ通い、手話を勉強していました。
くまぷう&涼子  横浜市内のとある場所で涼子ちゃんの写真展を開催していたとき、その手話教室で何年も涼子ちゃんに手話を教えてくださっている田中清先生(NHKの手話ニュースのキャスターでお馴染みのすごい方)が顔を出して下さった事がありました。
 NHKの手話ニュースはちょくちょく見ていたし、田中清先生の手話はとても美しく大好きだったので、突然現れた憧れの有名人に柄にもなく緊張してしまったくまぷうでした。
田中清先生とくまぷう&涼子 田中清先生曰く、通い始めたころの涼子ちゃんは感情を表に出す事もなく、心配になるくらい無表情だったのだそうです。しかし、ある時期から急に笑顔を見せるようになり、手話の勉強にも積極的に取り組むようになったのだとか。
 「いったい何があったのか・・・」と不思議に思っていたのだそうです。
 ある時期とは、涼子ちゃんがくまぷうの所へパソコンを習いに来始めた頃だそうで、くまぷうの傍で嬉しそうにしている涼子ちゃんを見てピンときたらしく、説明するまでもなく、先生は「あなたがこの子に笑顔をもたらしたのね」とくまぷうにこれまでの経緯を掻い摘んで話して下さいました。

くまぷう&涼子  当のくまぷうはというと、特に涼子ちゃんに笑顔をもたらそうと思っていた訳でもなく、確かに出会った頃はまったく表情がなかったという記憶はありましたが、すぐに屈託のないホントに可愛い笑顔を見せてくれるようになったので、実はそんな事は全然気にしていませんでした。
 くまぷうに会うなり、いつも満面の笑みを浮かべる涼子ちゃんの印象しかなかったのですから・・・

 そして「これからも宮本さんの事をヨロシクお願いしますね」とのお言葉を賜りました。

 その時は単に写真に関する事かと思っていましたが、その一年半ほど後、月に一回、田中清先生から直接手話を学ぶ機会に恵まれるようになり、たびたびお話をさせて頂いているうちに、そんな薄っぺらな事ではない事を理解しました。

 くまぷうは涼子ちゃんにとって、とても大事な存在なのだ。

くまぷう&涼子  くまぷうは聴覚障害者ではないので、正しく理解できているかどうかは全くもって自信はありませんが、聴覚障害者にとって、自分のために手話を覚えてくれる人の存在というのは、容易には推し量れないほど有難いものなのだそうです。(もっとも、涼子ちゃんにとっても同じかどうかは謎ですが、悲しくなるので、冗談でも手話を止めるとは言って欲しくないそうです。)
 手話教室に通うようになって初めて目の当たりにした悲しい現実ですが、涼子ちゃんに限らず、家族ですら自分のために手話を覚えてくれないというのは、割とよくある事のようです。なので、彼ら(彼女ら)にしてみれば、赤の他人であるくまぷうが涼子ちゃんのために、ポーズや口だけではなく、ちゃんと真面目に手話を学び、そこそこ使えるようになってくれている事は、それこそいくら望んでも得る事のできない、奇跡の存在なのだそうです。(もっとも、涼子ちゃんがそう感じているかどうは別問題ですが。)
 学べば学ぶほど自分の手話に自信がなくなり、手話に対して強烈な苦手意識のあるくまぷうにとってはある意味、これ以上のプレッシャーはない訳で。
 正直言って手話教室に通うのは極めて苦痛だったりするのですが、くまぷうは筋金入りの根性無しですから、これに負けて一回でもサボろうものなら、ズルズルと通わなくなってしまうのは目に見えています。そのため、どんなに大変でも、何とかしてモチベーションを高め、涼子ちゃんに悲しい思いをさせないようにと、あれこれと努力し続ける毎日なのです。

 なんでも上手にこなせる人であれば、楽なのでしょうが、くまぷうは何をするにしても、人の何倍も努力をしなければ出来る様にはならない人です。
 ただ、人一倍不器用なくまぷうが自分のために頑張って努力し続け、一目置かれる存在にまでなった姿を何度か見ているからこそ、涼子ちゃんにとって掛け替えのない人になったのかも知れません。

(Last Update 2010/7/1)
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思いは形に

くまぷう&涼子  いつも仲良しに見えるくまぷうと涼子ちゃんですが、聴覚障害というコミュニケーションの壁があるため、意思の疎通がうまくいかず、すれ違い、時には衝突することだってあります。目に見えている文は同じでも、微妙なニュアンスやとらえ方の違いでお互いが苦しむ事もよくあります。(例えば、「よくない」とか「悪くない」という文のニュアンスが、聴者と聾者では全然違います)

 日本人なんだから聞こえなくても書けば判るはずだろ
 大人なんだから、そんな事は常識として許される訳がないだろ・・・

 2歳で聞こえなくなって以来、まともな日本語教育を受ける機会のなかった涼子ちゃんにとって、日本語の複雑な文章を理解する事は至難の業です。
 また、周囲とのコミュニケーションが出来ない涼子ちゃんは、常識を教わる機会もかなり少なかった事が容易に想像できます。

くまぷう&涼子  聴者同士であっても、すれ違いが起きて、残念な結末を迎える事がよくあるのですから、コミュニケーションに障害があり、すんなりと意思の疎通ができないくまぷうと涼子ちゃんがうまくいくはずもありません

 しかし、実際はどうでしょう?

 理想的とは言えないまでも、少なくともお互いの気持ちや考えを判るようになりたいという、とてもハッキリとした強い思いがあります。何としてもコミュニケーションを取れるようになりたいという強い思いに裏打ちされた行動があるうちは、大丈夫なのです。

 また、涼子ちゃんにはくまぷうに対する「いつまでもこの人と一緒にやっていきたい」、「この人に嫌われたくない」、「この人に大事にされたい」というハッキリとした強い思いがあります。仮に同じ事を同じようにやってくれる人が代わりに現れたとしても、くまぷうでなければイヤなのだそうです。
(ちなみに、くまぷう以上にやってくれる人が現れたとしても、くまぷうがイイんだそうです。)

くまぷう&涼子  どうしてそう思うのかと聞いてみた事がありますが、「理由はあるけど、言葉にするのが難しい」のだそうです。もっとも、聴者であっても、言葉で表すのは難しい事なのではないかと思いますが・・・少なくとも「ちゃんと理由がある」という事はハッキリしているのだそうです。
 ただ、思いは伝わらないと意味がありません。そのため、涼子ちゃんは思いを行動で伝えようとしています。今はまだ、自分の思いがちゃんと伝わっているとは思えず、何とももどかしい思いをしているそうですが、健気に何かを伝えようとしている涼子ちゃんの行動は、いくらくまぷうの目が節穴でも判ります。
 くまぷうもかつて障害が重く、ちゃんと喋れず、思ったことが伝わらないもどかしさを経験したことがあります。だから、涼子ちゃんの気持ちが痛いほど判るのです。

 今は朧気であっても、様々な困難や障害を乗り越え、ハッキリとした思いに裏打ちされた行動を諦めずに続けていけば、必ずハッキリとした形を成すものです。
 それがどんなに平凡なものであったとしても、くまぷうと涼子ちゃんにとっては掛け替えのない、とても大事なものになります。
 この先、こういった大事なものを共に育み、一つ一つ増やしていく事こそ、本当の幸せなのではないかと思っています。
 確かにくまぷうと涼子ちゃんには障害があり、一緒に何かをやる事は大変な事ですが、だからこそ、何かを成し遂げたとき、たとえそれが小さなものであったとしても、大きな喜びが得られるのだと確信しています。だからこそ、お互いがお互いを「掛け替えのない大事な人」だと言い切れるのだと思うのです。

(Last Update 2010/7/1)
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東日本大震災後 New!!

震災で怪我をしたくまぷう 2011年3月11日14時46分18秒、東北地方沿岸を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震「東北地方太平洋沖地震」が、東北太平洋沿岸地域を中心とした東日本を直撃しました。くまぷうや涼子ちゃんが住んでいる横浜も大きな揺れがあり、ちょうどバイト帰りだった涼子ちゃんも電車不通のため、数時間足止めを強いられていたようです。
 しばらくの間、大きな余震も続き、翌週にあった大きめの余震でくまぷうは顔面を強打するケガを負いました。その際、落下してきたファックスが頭や顔面を直撃し、半日以上意識を失っていたようで…。
 普段、くまぷうと涼子ちゃんは携帯のメールで連絡を取り合っていますが、いつもはすぐに返事をするくまぷうがいつまで経っても返事がない…
 もしかしたら倒れているのではないか…事態を重く見た涼子ちゃんは、くまぷうの前々妻に連絡を取り、その翌日、バイトを休んで(一緒に)きてくれました。品不足の折、二人で食糧を携えて。同じ横浜とはいえ、くまぷうの家と涼子ちゃんの家は車でも電車でも大体1時間ほどかかる距離にあり、自分の足でここまでくる事は通常はしない事でした。

看病をする宮本涼子(イメージ写真) 涼子ちゃんがそんな事をしてくれるハズがないと思っていたくまぷうだったので、少々ビックリしたのですが、それを言うと涼子ちゃんは「当然でしょ!」とやや得意気に言います。
 まぁ、何かあれば駆けつけるのが普通なのでしょうが、いざ行ったからと言って何が出来るか判らない場合、躊躇してしまうのは障害の有無は無関係ではないでしょうか。
 もしもの場合、救急車を呼んだり、救急隊に状況を説明したり・・・涼子ちゃんにはそれが出来ません。筆談で出来るだろうと思う方も多いとは思いますが、文章を書く事が出来ない涼子ちゃんには、聴者には想像できないくらい難しい話なのです。下手をすると命に係わる事ですから、間違って伝わってしまったらそれこそ大変です。
 もちろん、将来的に今のままでイイかと言うと、イイ訳がないのですが、すぐに直せと言われて直るモノでもありません。時間をかけて(かければイイと言うモノでもありませんが)じっくりとやるしかありません。

 写真を見て頂ければ判る通り、くまぷうは顔面を強打しており、目もあまりよく機能していない状態でしたが、ゆっくりとした手話なら何とか判りました。(右手の中指も変形してしまって、字が書ける状態でもなかったため、くまぷうも筆談は無理でした。)

 くまぷうに何かあった時、涼子ちゃん独りではどうにもならない事が、実にたくさんある事を実感させられましたが、この体験があったればそこ、改善策も講じられる訳で。
 試行錯誤もそんなにたくさん出来るモノではありませんが、次にこのような事態に陥った時には、今回よりも少しはマシな結果が得られたらいいなと思う次第でございます。
 なお、後日、二人にはお礼と言う事で食事をおごりました。念のため…

(Last Update 2011/5/20)
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